2013年1月10日木曜日

今のアニメ好況を考える


アニメが元気だった昨年をふまえて、今のアニメ産業をテーマに雑談を。

劇場アニメが好調だったのは言うまでもなく、2006年のピークから減少を続けていたTV放映数も、5年ぶりに増加へ転じました。またトヨタとSTUDIO4℃のコラボによるオリジナル作品も制作され、アニメ産業の大きな可能性を垣間見ることもできましたね。このようなアニメ好況が世間では取り上げられていますが、今回はこれについて少し考えてみたいと思います。

アニメが元気になて嬉しいのは誰でしょうか?もちろんアニメの製作を関わっている様々な人であることは明確なのですが、それが日本全国で一様にいえるものなのでしょうか?

まずアニメ製作の流れ。基本知識ですね。スポンサーや放送局などいろんなプレイヤーが参加していることがわかりますが、資金の配分が川上と川下で大きな差があります。下請け構造が問題視されているのは今に始まったことではないですけど、結局これが改善されなければ少なくとも「制作するプレイヤー」はアニメ好況の恩恵を受けることが難しい。この点が一つ。





そして制作会社の東京への一極集中。実に国内のアニメ制作会社の9割以上が東京にあるのです。日頃から普通にアニメを楽しんでいる分には、特に関心の向かない事柄かもしれませんね。P.A.WORKSや京都アニメーションはとっても元気です。しかしこれでは、せっかくのアニメ好況でも仕事が降りてくるのが、東京に限定されてしまう。つまり地方がただのコンテンツの消費地として、取り残される可能性が出てくるんですね。これがもう一つの点。




以上のような問題から、私たちはアニメ好況を諸手を挙げて喜ぶことはできないんじゃないか。地方で「産業としてのアニメ」を育成する試みが見られるのも、こういった表にはなかなか現れてこない現状をふまえてのことだと考えています。昨年12月に研究調査のために宮城県を訪れ、県庁内にある情報産業振興室でお話を伺ったところ、やはり地域から発信する産業としてのアニメを育てていきたいとのことでした。その一環として、宮城・仙台アニメーショングランプリのようなイベントも実施しているようです。

宮城県ツアーの報告は横浜国立大学の人間文化課程HPで詳しく行います。アップされたらリンクを貼りますのでしばらくお待ちください。

このようにアニメによって生み出されるお金の流れが、広告代理店や放送局、さらには制作会社も含めた在京のプレイヤーの中で完結してしまってるのでは、アニメ好況はとても限定的なものになってしまうでしょう。日本が「アニメ文化」を世界に向けて発信していくためには、こういった構造的な問題も克服して、オールジャパンでコンテンツを生み出せるアニメ産業にしていくことも必要なのかもしれないですね。

2013年1月6日日曜日

ブログ、はじめました。

はじめまして、そして明けましておめでとうございます。 新年、何か新しいことを始めようと思ってブログに挑戦です。

タイトルの「くるみ・らいふ」は、「知性」を花言葉にもっているクルミから採りました。物事をしっかり考えることができる人間になれるように毎日を過ごしていきたい。そんな理想を込めています。「意識が高い学生w」みたいな人も最近は話題になってるし、そういう浅い学生も如何なものかなということで。

そんなスタンスでこれから始めていきたいと思っています。今年は厄年で、新年早くも盗難被害に遭ってデジカメを失くすという安定したクズっぷりを発揮して先が思いやられますが、これからどうぞよろしくです。